ＧＰＳの行動履歴を浮気の証拠として有効利用できないの？【探偵・浮気調査ブログ】

ラブ探偵事務所の現役探偵「エル」です。
今回「探偵エルのひとり言」ブログでは、探偵事務所や興信所などの探偵業者に浮気調査・素行調査などを依頼する前の問題点で「ＧＰＳの行動履歴を浮気の証拠として有効利用できないの？」という質問がありましたのでお答えしていこうと思います。
いつものごとく探偵目線で考えながら、少しだけ掘り下げてお伝えしていきます。

初めて相談や依頼をする現実の探偵事務所や興信所という未知の会社がどの様なものなのか事前に知って頂こうという思いで書いています。
探偵事務所や興信所への相談前に少しだけお役に立てれば幸いです。

今回の「ＧＰＳの行動履歴を浮気の証拠として有効利用できないの？」という素朴な疑問にお答えする前に、まずは過去の記事となる「ＧＰＳの行動履歴って浮気の証拠になるの？」でも取り上げたＧＰＳの行動履歴について再確認をしてみます。

ＧＰＳとは「グローバル・ポジショニング・システム （Ｇｌｏｂａｌ　Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ　Ｓｙｓｔｅｍ）」というとっても長い略称です。

ＧＰＳ機能を利用している代表的な機器と言えば、現代社会では日常生活には欠かせないアイテムとなっている自動車のナビゲーションシステムやスマートフォンの位置情報サービスなどが挙げられます。

そして探偵業界にも特別な機能が組み込まれた「探偵仕様のＧＰＳ発信機」と呼ばれる機材があります。
これは一般の方が使用しているＧＰＳ機器より使える機能が豊富だったりと少しだけ仕様が異なることもありますが、今回お話をしていくＧＰＳというジャンルで区分するとしたら同じ機能ということになります。

そしてこのＧＰＳの行動履歴とは、自動車のナビゲーションシステムやスマートフォンの位置情報サービスと同様にＧＰＳ機能が搭載された機器を利用してや物体の移動位置を記録したデータのことなんですね。

各ＧＰＳデバイスでは利用するサービスに応じてその時刻の位置情報を測定し、その情報を記録していきます。この位置情報を測定した履歴こそが、今回お伝えするＧＰＳの行動履歴ということになります。

ＧＰＳの行動履歴は過去に立ち寄った場所の特定などには非常に便利な機能ですが、特定の日時における移動経路・滞在場所・移動速度など個人の行動パターンなどに関わる詳細なデータを含むことがあるのでプライバシーの観点からも慎重に取り扱う必要はあります。

まず結論からお伝えすると、ＧＰＳの行動履歴だけでは直接的な浮気の証拠にはなりません。
「ＧＰＳの行動履歴が浮気の証拠にならないなんて嘘でしょ？」と思われるかもしれませんが本当の話です。これにはＧＰＳという機能特有のしっかりとした理由があるのでご紹介していきます。

ここからお伝えするＧＰＳの位置情報が証拠にならない理由は、一番重要なことなので忘れてはいけません。
探偵事務所や興信所などの探偵業者が浮気調査・素行調査などを行った際に撮影する決定的な写真や動画とは違い、ＧＰＳ機器の位置情報履歴のみでは調停や裁判などの法的な場面では証拠として採用されない可能性が高いです。

その理由としてはＧＰＳ機器を取り付ける側と取り付けられる側の関係性が違法である点なども挙げられますが、それ以外にもＧＰＳの行動履歴は『その時にＧＰＳがその場所にあった』ということだけしか証明できないので、誰が見ても間違いない決定的な浮気の証拠とは言い切れないからです。

先述した通りＧＰＳの行動履歴のみでは浮気の証拠とまでは言い切れない点があります。
しかしＧＰＳの行動履歴が示している場所などもパートナーが現実に立ち寄っている場所であると推察はできますよね。

このようにＧＰＳの行動履歴のみでは、パートナーが実際に立ち寄っている場所であったとしても「スマホを貸した」「車は駐車させた」などの言い訳が通じてしまうという歯痒いほどの矛盾が生じてしまいます。
この矛盾を確固たる浮気の証拠に変えるためには、下記のような使用方法が一番なのです。

非常に便利でメリットしかないと思われがちなＧＰＳ機器ですが、このＧＰＳ機器の勝手な取り付けや無断での位置確認（位置の取得）が違法となるケースは多いです。
ここからはそんなＧＰＳの違法性について少しだけお伝えしていきますので、自分がどちらに該当するのかをしっかりと理解してから利用することを推奨します。

まずＧＰＳ機器を使用するには調査対象者と婚姻関係になければなりません。
調査対象者との関係があっても、婚姻以外の関係となる交際相手・知人・友人・勤務先経営者・同僚・上司などは第三者という立場になり、他人の所有する物にＧＰＳ機器を取り付けることはできません。
またＧＰＳ機器のみでなくＧＰＳロガーやエアタグなども違法となるので、インターネットなどで安易に購入して無断で取り付けるなどの行為はやめましょう。

夫・妻など調査対象者と婚姻関係にあったとしても、ＧＰＳ機器を取り付ける物を共有して使用しているかが重要な項目となります。
ＧＰＳ機器を取り付ける物を共有して使用していれば問題はありませんが、ＧＰＳ機器を取り付ける物を共有して使用いなければ後々プライバシーの侵害など違法性を問われることになる可能性があります。

婚姻関係に無い人物が所有者の許可なくＧＰＳ発信機・ＧＰＳロガー・エアタグ・ＧＰＳ機能付きアプリなどのＧＰＳ機器を取り付ける行為はすべてが違法行為とみなされます。
またそれらのＧＰＳ機能を利用して所有者の許可なく無断で位置情報を取得する行為もすべてが違法行為となります。

下記のような使用目的に該当する方は、安易にインターネットなどでＧＰＳ機器を購入したり、ＧＰＳ機能付きアプリをインストールしたりするなどの行為はやめましょう。

今回は探偵事務所や興信所などの探偵業者に浮気調査・素行調査などを依頼する前の問題点で「ＧＰＳの行動履歴を浮気の証拠として有効利用できないの？」という質問についてかなり掘り下げた形で分かりやすくお答えしてみました。
ここまで読んでもらえたので「ＧＰＳの行動履歴」「浮気の証拠として有効利用」については少しだけ理解いただけたのではないでしょうか。

先述している通り、ＧＰＳという機能は非常に便利ですが「使う人の使い方」によっては善にも悪にもなり得るものだということです。
浮気・不倫されているからと感情的には行動せず、ＧＰＳについてしっかりと正しい知識を得てから一度立ち止まって自分の立場で「その行動に違法性があるか？」「違法性はない行動なのか？」を考えてみてください。

また近年はＧＰＳ機器の取り付けで知り得た位置情報やアプリ・エアタグなどを含むＧＰＳ機能の履歴を利用して対象者となる人物の行動をする方は少なくありませんが、そのほとんどが違法に該当する関係性のであることが多いのが現状です。

２０２１年（令和３）年８月２６日から法律となる「ストーカー規制法」でＧＰＳ機器を使用した位置確認がストーカー行為として規制追加されると共に、禁止命令などに係る書類の送達に関する規定が整備され、規制行為が拡大されました。

また各都道府県の「迷惑防止条例」などでは、すでにＧＰＳ発信機の違法利用についての規制がされており、車への取り付けなどについては地域によって異なるものの一定の規制があり、一部の例外を除いてはやはり所有者や運転者の同意が必要となっています。

何度も繰り返しますがこれらはすべて違法行為であり、住居侵入罪・ストーカー行為などの罪やプライバシー侵害などに問われる可能性があります。
せっかくのＧＰＳの行動履歴が自分を追い詰める「諸刃の剣」とならないようにご注意ください。

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探偵Ｌ（通称）
探偵歴２０年以上の雑学探偵

調査経験と知識が豊富でオールマイティーな探偵スキルを備える。義理人情に厚く、正義感が強い。